Strength荒木の強み
名工の「技術継承」が荒木の強み
R-T工法(ステンレスシームレス溶接工法)の先駆者企業孤高の技術
金属屋根の未来を広げる新工法
1980年にスウェーデンのROSTFRIA TAK社より、ステンレス金属板を使用しシーム溶接する画期的な防水工法(R-T工法)のパテントを取得した三晃金属工業株式会社が、各社に新たな工法の技術習得を呼びかけました。
しかし、斬新な工法であまりにも手間暇のかかることでほとんどの施工業者が二の足を踏む中、この新たなR-T工法は今後の業界にとって主流になると、荒木板金工業所では職人全員を一か月間技術習得のため工事へ参加させました。
先見の明で得た技術力
当時のステンレス鋼はオーステナイト系で温度変化による寸法変化値が高く、以前から建築材料としては課題がありましたが、防水材を固定する吊子をスライドさせて伸縮対策をすることで施工を可能にしました。ただ、スライド吊子の位置やエキスパンションジョイントの取り方が甘かった場合、経年変化や金属疲労により雨漏りや亀裂が生じる事故例が度々ありましたが、荒木は職人全員の技術習得が早く、海外プロジェクトや最新の工事に参加する経験も他社より積めたため、機能的にも安心できる形状も美しい屋根を葺くことができました。
進化するR-T工法の発展を担う
その後、熱伸縮量が少ない新フェライト系ステンレス鋼が開発されたため、伸縮対策の必要がなくなり、固定吊子を使用した強度や防水性が格段に向上し、シーム溶接性能も安定する拘束工法が主流となりましたが、安藤忠雄や黒川紀章など斬新なデザイナーの設計や3次曲線での表現など、R-T工法ならではの自由な表現性を活かした進化する特殊屋根は長年積み重ねてきた荒木のR-T工法技術によって葺いています。
皇居新殿造営に携わる名工熟練の職人技
皇居工事に召集された名工
明治21年に造営された皇居新宮殿は、昭和20年の大空襲による焼失後、長期にわたり造営されずにいましたが、外国貴賓等の国家行事の増加に伴い、昭和39年に皇居新宮殿造営工事が起工され、荒木は昭和43年に屋根工事に参加することになり、全国より名工と呼ばれる屋根葺き職人60名が集められた中、当社からは3名もの職人が参加しました。
100分の1mm以下の技
伝統を重んじ、洗練された品格のもと、簡素で素朴な国民から親しまれる宮殿が求められ、外観の主となる屋根はゆるやかな勾配と深い軒の出をもつ銅瓦葺きの設計でした。厚さ0.8ミリで最も長いものは、棟から軒先まで22.5メートルにも及ぶ長尺で成型した長尺銅板を人工緑青発錆仕上げにし、墨出し精度1/100mmを要求される難易度の高い技術が必要なため、木綿針を砥石で研ぎながら墨出しをする等、緻密な作業の連続で日本古来の本瓦葺きの形式に葺き上げました。
精度の高い屋根材から成形自社製屋根材
こだわりの屋根材
荒木は屋根材からこだわります。屋根の使用用途や予算に合わせた最適な素材を選定し、施工する屋根に必要な板材を設計。スリッターで長さを、シャーリングで板巾をカットし、 6mの長尺も可能な大型ベンダー加工機で寸法通りの曲げ加工を行う等、精度の高い屋根材を自社工場で成形加工しています。
一貫体制の強み
R形状の屋根の場合、現場調査でRを確認し、5~6種類ほどのRの数値を変えた屋根材を用意して、どの数値のRが馴染むかを入念に調査をしてから自社工場にて正確に成形しいていきます。自社で現地調査から素材選定、サンプル作成から最終寸法決定、屋根材成形加工から施工まで一貫して行うため、一切妥協のない屋根を葺くことができます。
荒木には、精度の高い屋根材を成形できる自社工場施設と技があります。
板金屋根加工設備
スリッター成型機
シャーリング加工機
ベンダー加工機
K型スパン成型機